憧画(人物コラボ)シリーズ vol.1
越部 信義 先生「新おもちゃのチャチャチャ」
2016年11月28日
「憧画」。。。「憧れの画」と書いて「どうが」と読みます。2013年より始まった様々なジャンルの「人物」をモデルに作品を描かせて頂きましたシリーズをご紹介していきます。
僕が憧れや尊敬、興味のある人物を取り上げています。すべてご本人、または関係者の許可を頂いて取材を通じて制作しています。
記念すべきvol.1は「おもちゃのチャチャチャ」作曲者 越部信義先生
とても想い入れがあり、深いご縁がある方です。。
このお写真は奥様が一番好きだとプロフィール写真としてお借りしスキャンしたものです。先生の訃報がニュースで流れた時、奇しくも当サイトが出典元となり、様々な媒体で使用されました。
*発表時のブログ
「おもちゃのチャチャチャ」は僕にとっては代表作でもあり、越部先生との出会いのきっかけの作品でした。個展で展示したらたまたま先生の知り合いが通り、数日後には僕の前に越部先生が立っていました。。目の前にいる先生は穏やかで、ニコニコ。。まさしくおもちゃのチャチャチャが生まれてきそうな、そんな方でした。その日から作品は公認となり、代表作となりました。
発表した作品新たに描き上げるという作業は大きなプレッシャー。いわば「自分越え」をしなければいけない。制作にあたっては奥様へのインタビューを聞きながらイメージを創り、実際に作業に入るときには「おもちゃのチャチャチャ」をリピートして数千回は聴いたと思います。
自分越えが出来たかはわかりませんが、初めてこの曲を題材に作品を描いた十数年前では絶対描けなかったものは出来たと思います。色んな経験が生きていたと描きながら実感しました。歌詞に出てくるキャラクターを全部載せ、一つ一つが画面に生まれてくる感覚は至福の喜びです。
越部先生には最後に出てきてもらいました。
音楽の、そしてこのキャラクターたちの指揮を取る先生。。
「おもちゃのチャチャチャ愛」は誰にも負けない、体調を崩されている越部先生に笑顔になってもらいたい、そんな気持ちで取り組みました。
原宿個展では奥様に来て頂きその後もよく来てくださいます。
会期が終了し、2014年3月に先生のご自宅に届けました。先生は体調を崩され、施設にいましたが、そこには先生が居た空気が確かにあり、僕が一番最初に描いた「おもちゃのチャチャチャ」が飾ってありました。「新おもちゃのチャチャチャ」は今は玄関に入ってすぐのところに飾ってあるそうです。
奇しくも、この年の11月に越部先生はお亡くなりになりました。きっとこの「新おもちゃのチャチャチャ」のように天国で指揮棒を振っているんだと思います。
数年が経ち、奥様からお墓が出来たと連絡が来ました。東京出張の帰り、横浜の郊外へ車を走らせました。そこで見た先生のお墓には、僕の作品をモデルにした兵隊さんがいました。涙が止まりませんでした。
ただ、昔から耳から離れなかった絵を描いたことで生まれた奇跡の数々。。
ご縁の不思議・・・そして感謝です。
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「新おもちゃのチャチャチャ」
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「新おもちゃのチャチャチャ」
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