さんしょう太夫

2010年02月23日

さんしょう太夫
国立文楽劇場の劇団前進座二月特別公演「さんしょう太夫」
を観劇しました。
劇団前進座といえば「龍の子太郎」のポスターでお世話になり、
今もお付き合い頂いています。
さんしょう太夫、お馴染み「安寿と厨子王」のお話なんですが、
あらためて見直すと当時の人身売買、奴隷の願いと解放を語って
いて、かなりテーマが重く、またこのお芝居自体は、現代にあり
がちなオブラートに包むことなく、真実を伝えて素晴らしいです。
まず、オープニングの演出が素晴らしかったです(あっと驚いた
ので内緒)前進座は派手な仕掛けや舞台装置よりも工夫と演者の
ハートで訴えてきます。
安寿と厨子王の姉弟と母と乳母とで父の安否を尋ねて旅の途中に
だまされて、母と乳母、そして安寿と厨子王と二組に分かれて
売られ、奴隷となる。
この厨子王、最初は見るからにおとなしそうで、なにも出来ない
高貴なおぼっちゃまという雰囲気でしたが、物語が進むにつれ、
グングンと顔つきが変わってくる。安寿のとてもけなげで弟思い
の気持ちが切ないくらいに伝わって来ました。
高貴な立場の人間が、民衆のおかれる劣悪な立場に陥って初めて
気づくこと、人々の願いが語られていた、心にグサリと鋭利なもの
が刺さってきた。。。そんな気持ちになり、考えさせられた演劇
でした。
また、さんしょう太夫の息子であり、奴隷たちをいたぶりまくり、
最後には自分の親の首を落とす三郎。その役を演じた松浦豊和さん。
鬼気迫る演技で、とてつもなく憎たらしい。観る側をそんな気持ちに
させるなんてすごいな〜と思いました。余談ですが、期間中に僕の
個展も近くでやっていたのですが、わざわざ来てくれました。
龍の子〜以来、とてもお世話になっています。
下の写真は以前、東京での個展に来て頂いた松浦さんと奥さんで
女優の妻倉和子さん。とサンドウィッチな僕(笑)
イラストレーター 童画 徳治昭
と、もう一つ、これまた先日個展でお世話になったSoHoアート
ギャラリーのオーナーであり、カナダ人のセリオ・バレットさん。
セリオさん一緒に観劇しました。演劇を観ること自体久しぶり(前は
カナダで観たそうです)でなおかつ日本語で時代劇、さらにハードな
内容・・・どんな反応を示すかが心配でしたが、とても興奮して
いました。そして一つの舞台で様々な世界を創りだす演劇の幅の
広さに感動していました。良かった!
劇団前進座公式サイト
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