取材の想い出
2009年04月22日
*旧サイト「ざっきちょう」より転載
数年前、商店街の取材をしていたときがありました。目的はマップ制作。
僕はいくつもの商店街を周り、1件1件写真を撮ってまわっていました。
商店街のほとんどは統一の定休日はなく、それぞれがバラバラに休むので
1つの商店街に何度も行かなければなりませんでした。
そんなとある商店街でのこと、いつも閉まっているお店がありました。
会長に聞いてもわからず、困ってました。他の商店街の取材の帰りに寄ったり・・・
初めて訪れてから2ヶ月たったある日の夕方、やっとそのお店が開いてました。
それもシャッターが降りようとしている!
あわてて走って、ゼ~ゼ~いいながら取材を申し込む。
老夫婦が経営しているレコード屋さんでした。閉まっていた理由を
聞いてみると、ご主人の体調が良くなくて、それを機会にもう閉店してしまうとのこと。
「寂しくなりますね」と僕がいったらご主人はサバサバした感じで、「もう長いことやっ
ていたからね~充分ですよ」と・・・奥さんはニコニコと笑顔がとても素敵でした。
そして写真撮影をお願いしました。お二人は快くお店を撮らせて下さり、最後にはお店と一緒
におさまってもらいました。帰って、マップ制作の為にぱらぱらと色んな写真を観てまし
たが、やっぱり手が止まったのは、そのお二人の写真でした。よく観ると、ご主人の顔に
は寂しさ・達成感と誇りが感じられて、何十年間も支えた奥さん、二人ともとてもいい顔
をしていました。自分たちを支えたものの歴史が終わったとき、こんないい顔を出来る人
になりたいな~と想いました。それは僕の目標となりました。商店街取材がなかったら・
・・今の僕もまた違ってたかも知れません。
*イラストはイメージです。まったく忠実には表現していません。
*2004年3月18日 書き込み
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