山崎哲秀さん。
2023年12月14日
山崎哲秀さん。極地探検家。
北極圏を犬ぞりで観測調査遠征を行うアバンナットプロジェクトを行っている。
年間の半年は北極で暮らしていた。
山崎さんとは不思議なご縁。僕の友人やお客さまから、山崎さんの話を聞き、人づてに注文をいただき山崎さんをモデルに絵を描いたり、その後、御本人にお会いした。自分の意志よりも、会わされてしまったという感がある。もちろん、嫌なものではなく、僕はなんとなくその意味を考えたりするのが好きなんです。何かあるのだろうと。
ご本人は凄い人なのに当たり前のように謙虚で普通の人。そして、当たり前のように気持のわかり合える人で、目指しているものは違っても普遍的なものはどれも同じだということがわかっている人。
なにかご一緒に出来ることはないかと模索をしながら時は経ち、今年は間に入っている友人がどうしても一緒に御飯を食べたいとスケジュールを組んでくれた。正直、僕も忙しく、山崎さんも多忙なので、無理だと思っていたが、夏に会えた。今となってはこの強引に作られた時間がどれだけ尊いものだったことか。。
話は弾み、絵本を作ろうと山崎さんは草案を持ってきてくれました。
数カ月後、11月。北極に出発する数日前にフラリと高槻の個展にやって来てくれた。
短い時間だったけど、お互いを確かめ会うように、「次に帰ってきた時には絵本を具体的に進めましょう」と、目を見て固く握手をしてお別れしました。そこには未来しか見えませんでした。
それから一ヶ月も経たずに、悲しい知らせがやって来ました。
【ブログ】犬ぞり案内人 山崎哲秀 ー北極圏をテツがゆくー
「アバンナットプロジェクト事務局からのお知らせ」
奇跡を信じたいけれど、奥様が気丈に冷静に綴られたブログを読むと、受け入れるしかありません。
愛した土地の海に消えた山崎さん。地球という星の一部になった山崎さん。
色んな想いが駆け巡ります。
山崎さんに託された宿題は僕の手元にある。それはとてつもなく大きな宿題。
時間はたくさんかかるけれども僕のできることで、たくさんの人の力を借りて、山崎さんからもらったヒントから答えを出したい。
それは、「仕事」から「使命」になった。
山崎哲秀さんは、今もちゃんと生きている。
僕も、生きなきゃ。
明日は必ずやってくるとは限らない。