届けられなかった想い

2013年01月29日

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お正月明けにこの作品「絆」をご注文主に送りました。
そして数日後一通の封書が届きました。僕は礼状かなと思い
封を切ると、そこに入っていたのはご注文主Tさんを送る会の
招待状でした。。。とてもやりきれない気持ちになりました。
僕の童画を観ることなくこの世を去られました。。
今日、送る会に参列しました。
Tさんは芸能プロダクションの社長で、お届けのやり取りは
会社に連絡していました。その時、すでに亡くなっていた
のですが、スタッフの方は最後までその事実を話すこと無く
僕に対応してくれました。今から思うと心情を察し致します。。
Tさんは夏に僕の個展に来てくださり、絵を一枚購入頂きました。
そして秋にイベントでご一緒し、僕は展示で参加したのですが、
Tさんは悩みに悩んだあと、「絆」のご購入を決めて頂きました。
イベント直後に個展が入っていて、作品のお渡しはその会期終了後
ということになりました。その時にTさんが「少しでもたくさんの
人に観てもらって喜んでもらって下さい」と言っていただけたことを
今でも忘れません。
その後、入れ違いがずっと続き、年が開けてやっとお届け出来た
と思っていたのですが・・・・
今から思うとすべてが既成事実でした・・・Tさんは全てわかって
いたのでしょう。。
イベント中、僕の展示会場を何度も何度も足を運んでくれました。
僕の童画から流れる空気を感じていたかったのでしょう。。
購入を考えて会場を離れた時にスタッフの方が来て気に入った作品
をこっそり聞いてきました。今日、その方とお会いしたのですが、
「絆」と聞いた時にTさんの今の状況を悟ったのだそうです。。
そして、購入を決めて、最後にTさんが僕に言った言葉は
「こんな力のある絵を描く徳さんにはパワーを持ってるから
握手させて下さい」でした。。。
僕の中で完成していたパズルが実は裏では別のストーリーが
展開されて完結していたのでした。。。
わかっていればあの時もっと・・・
そして、早く届けられたはず。そんな想いが離れません。
この「絆」はTさんのご自宅に飾られているそうです。
主人のいない部屋で今も笑っていることでしょう。できることならば
Tさんを取り巻くご家族、仲間たちを少しでも和ませてほしい。
僕はこの作品は二度と描きません。でもTさんが「少しでも
たくさんの人達に・・・」と言って頂いた言葉を胸に
ポストカードなど、何らかの形で観ることが出来るように
したいと思います。
最後に会わせてあげることが出来ずに、Tさん、そして
作品の中のキリンたち、ごめんなさい。

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